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help RSS ロダン美術館 〜カレーの市民〜

<<   作成日時 : 2006/07/31 23:55   >>

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画像入口から入ってすぐ左手に、悲壮感の漂う群像が佇んでいました。

「カレーの市民」

1884年−1889年製作、
高さ231cm:幅245cm:
奥行203cm、ブロンズ製


この像の背景には英仏百年戦争での悲しくも尊いエピソードがあります。

1347年、フランス北部のカレー市はイギリス軍に包囲され
1年近く篭城を続けていた市内は餓死者が出るほど追い詰められていました。

援軍もイギリス軍の包囲網の前には手も足も出ず、
残された道は略奪や虐殺も行われかねない降伏の道のみ。
困窮し、追い詰められながらも降伏しないカレー市の抵抗を見たイギリス王は
“名士6名に町の城門の鍵を持たせて投降させれば、無益な攻撃はしない”
と提案したのだとか。

その時、自らの犠牲になることを名乗り出た名士たちの姿がモデル。
写真向かって右端は、ジャン=ダールという人物。
左手に握り締めているのは城門の鍵


画像もともとこの像は、カレー市が英雄たちをたたえる記念碑として注文したもの。

けれどロダンは作品製作にあたって市の歴史を調べているうちに、
6人の名士たちが死を恐れおののきながらも市民のために死地に赴いたことを知ります。
英雄的な像ではなく、死の恐怖を前にわが身を犠牲にした人たちのありのままを表現するべく完成させました。

当初注文した英雄像からかけはなれた出来映えに、カレー市は受け取りを拒否したのだとか。

6人の視線は誰一人として同じ方向を向いておらず、
各々が自分自身の内面の苦悩と葛藤している様が伝わってきます。

この像の素晴らしい所は、鑑賞者の目線とほぼ同じ高さに設置されていること。
像といえば高い台座に設置されるのが一般的だったものの、
鑑賞者と像の距離を縮めることで
群像たちの苦悩がよりリアルに伝わるようにとロダン自身が望んだのだとか。


画像6人居る群像の中で、
最も心惹かれたのがこの像。

正面から見るとジャン=ダールの影に隠れてほとんど見えないものの、後ろに回りこんでみると背を丸め頭を抱えて表情が全くわからない人物が居ることに気付きます。

たとえ自ら犠牲になることを買って出たとしても、殺されるため敵地に赴く時に平常心を保っていられるとは考え辛くて。
6人6様の苦悩が滲み出る中で、
この人は(表情は見えないけど)
激しく泣いているように思えて仕方がない。

死を前にした恐怖、やり残したことへの未練、
市内に残してきた身近で大切な人たちへの愛情とか・・・。
いろいろなものが感じられて息苦しくなるほど。

管理人は利己的なので、市の為に犠牲になる立候補者を募る場面を前にしたら
ひたすら沈黙して誰かが名乗り出てくれるのを待ってしまうタイプです・・・。


この6人も誰かが名乗り出ることを待つこともできたはずなのに、
それを良しとせず自己犠牲の道を選んだ人たち。

それはまさに崇高な行為で、
苦悩が見えるからこそ英雄的で讃えるべきものだと感じさせられます。
ロダンの意図を理解したカレー市は、像を受け取り市庁舎前に設置しました。

主題的に気軽な気持ちで鑑賞できる像ではないけれど、
感情に訴えかけてくる群像は本当に素晴らしい!!
ロダン美術館を訪れるまでこの群像の存在を知らなかったけれど、
個人的には「考える人」や「地獄の門」よりも必見だと感じました(^^*)

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